■穴窯作り〜第1回焼成まで 虚空窯陶芸教室では、2001年に教室の生徒有志が参加して穴窯作りに挑戦しました。 土台作りから築窯まで試行錯誤の繰り返しです。 有志は会社員が中心なので、休日を利用しての作業となり、完成までに半年を要しました。 ただ、1回の焼成後、しばらく後にものの見事に崩れてしまいました。 崩れた原因を突き詰め、再度挑戦し、2002年10月に今の穴窯が完成しました。 ■第2回〜3回焼成まで 2度目の焼成は、2002年11月1日から4日までの日程で行いました。 今回還元焼成は、松に加えて、実験的にPETフイルムを試してみました。 PETフイルムは、その形から表面積が薪より大幅に大きく、そのため酸素と反応する面積も大きく、不完全燃焼となります。またPETフィルムは高温では分解して炭化水素ガスとなることから、すぐに酸素を欲しがり、不完全燃焼となりやすい。 なお、PETフイルムを入れるのは、1200℃になってから。800℃以下ではダイオキシンの発生に注意が必要である。 3日目に1300℃に達し、3時間程保持したのち、薪も尽きたため窯を閉じました。 冷却期間を置くため、窯出しは11月10日とする。 窯出し当日は、作品を入れた生徒さんも朝からたくさん集まり、窯の前に集まって皆わくわくしながら作品が出てくるのを待っています。 窯は、亀裂も入ることなく無事であり、もう一安心。これで壊れることはないでしょう。 入り口の煉瓦をはずして熾きを掻き出し作品を取り出し始めた。待望の灰被りの作品です。 最前列の灰被り作品は割れたり、へたったりして残念なものが多かったが、2列目当たりからは、灰が綺麗に溶けてきちっと焼き締まっていた作品になりました。 ただ、いくつかの作品では強還元のためか、灰被りのなかに炭素がはいって黒い点が存在するものがあった。 全体的に綺麗な試上がりになっており、まずまず成功の部類に入るでしょう。 この穴窯焼成の様子は月刊雑誌〔陶遊〕39号に詳しく掲載されています。 また、3回目の焼成は、月刊雑誌〔陶遊〕43号に掲載されています。 下記に穴窯焼成の模様を写真で招介します。 使用した粘土は古信楽の荒目です。 |
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■第4回焼成−唐津の焼成を行いました。2004年12月25日〜26日 始めての唐津に挑戦です。 私は、陶器の中で唐津が大好きです。素朴で豪放、野趣、深みのある色合いに魅力を感じています。 土は荒目で作陶は難しいのですが、作品の焼き上がりに期待を込めて作っています。 唐津の焼成は、電気の窯で何年も焼いてきましたが、薪窯で焼くのは始めてなので、穴窯の焼成では一末の不安がありました。 穴窯は前後、左右、上下、の温度の分布が、それぞれ違いますので、それに合った釉薬と窯詰めを行わなくてはなりません。焼成時間も17時間〜24時間位で焼き上げれば良いとの事だったので、その計画を実行しました。しかし、実際に行なってみると大変なものでした。 温度が1200℃付近になると、それ以上なかなか上がらなくなりました。薪を雑木から燃焼温度が高い松に変えて温度上昇に奮闘しました。1250度〜1270度になったのは翌日の午前10時頃でした。 予定よりも大幅に時間が掛かり、眠い目を擦りながら頑張りました。窯を閉じたのは、午後1時頃でした。 皆さんの奮闘に感謝。 窯出しは、2005年1月10日午前10時〜13時頃まで行いました。 窯出しは4度目ですが、何度出しても不安と期待で胸がわくわくしてきます。最初の前面は良く溶けていい味が出ていました。中にはへたっていたり、割れていたものもありました。後側の作品は全体的に溶けが悪く、燃焼温度が┼分ではなかったために窯全体の温度分布が均一ではなかった事が分かりました。短い時間のなかで、温度を均一にすることの難しさを痛感しました。 第5回目には溶けが悪かった唐津を再度3日間焼成し成功する事ができました。その時の記録も掲載します。 以下焼成の記録写真を掲載いたします。 |
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■第5回焼成2005年2回目の唐津焼 第4回の焼成で失敗した唐津を再度3日間焼成し、成功する事が出来ました。以下その記録です。 |
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■第7回焼成 2007年2月22日〜25日 今回は古信楽と唐津の焼成を行いました。 今回の焼成は、7回目と言う事で、窯の性格や焼き方が分かる様になり、余分な労力を使わずに焼成する事が出来ました。1つとして、熾きはほとんど、ださない様にして、温度を一定に保ち、1250度を約1日維持した。薪のくべ方も、苦労することなく前と左右に交互にくべていった。還元の掛かり具合も良好で満足のいく決果であった。 |
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2009-11-2001穴窯 | ||